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ベアリングのダブル化









タワーメンテナンス・ ストーリー 2019.4.16
私のタワーは、ストレッチタワーで1980 年の約 40 年前に建てた 25m 長 5 段ものです。
この業者は、私のタワーを建てて、すぐに廃業されたようです。
1991年、最上2段目 のワイヤー切れ事故 が発生しました。ほんとうに恐ろしい体験をしました。当時は、ワイヤーロープに錆が出ていると思っていたら、クランクアップの時に切断しました。
ものすごい衝撃で、アンテナはエレメントなどが曲がり使用できなくなりました。
タワーのベアリング受けなども破損しました。業者が無くなっていたので、溶接機やレバーブロックなどを買いこみ、 タワーを 20m タワーとして、自力で復活 させました。
ワイヤーロープは、サイズアップして最下段以外をステンレス製ワイヤーに交換しました。
また、当時に同じようなタワーを作っておられた愛知タワーの社長さん から、ベアリング受けなどの部品を譲っていただき、後日に復旧することにしました。
それから28年、仕事が忙しく、そのことをすっかり忘れて い ました。
部品の整理などをしていたら、ベアリング受けなどの部品が出てきて、タワーの完全復活にチャレンジ することにしました。
最大の難関は、最上部のタワーを受ける部分の変形です。Lアングルで作られているため、簡単に曲げ加工ができません。いろいろとトライしましたが、ことごとく失敗してうまくいきません。
鉄の強度の強さを思い知らされました。鉄の加工は、仕事で溶接用の ガスバーナーを使い、赤く加熱して加工していたことを思い出しました。
でも、溶接用のガスバーナーなど、持ってくることじたい不可能です。
そんなとき、鉄の強度についてネットで調べていると、けっこう低い温度でも10 分ぐらい加熱すると、かなりの強度が低下することがわかりました。
そこで思いついたのは、ろう付け用の汎用ガスバーナーです。これなら、以前に買ったものが 2 台ありました。
ついに、これで変形部分を加熱 して、大ハンマーでたたきまくったら、使用できる状態まで修復できました。
あとは、穴のあいた部分にボルトを取り 付け、それと亀裂箇所などの部分を電気溶接しました。
古いベアリング受けは、溶接部をサンダーで削ってそれを取り外し、愛知タワーさんから譲ってもらったベアリング受けをボルト締めと溶接で取り付けました。
ベアリングは、ダブル仕様として2 個分でタワーを受け 、タワー側の負担を軽減するように改造しました。また、ベアリングの取り付けボルトは、スチールボルトの8mm でしたが、ステンボルトの 10mm に交換 して強度アップしました。
10mmの下穴は、 8.5mm のキリで、タップは、貫通穴なので1番タップのみでできます。
このとき、タップグリスを使うと簡単にねじが切れました。
それと、もういちどタワー事故 を起こしています。それは、 ベアリング受けが1か所脱落 して、強風の中でタワーが下せなくなりました。これも、本当に恐怖でした。タワーがよくもってくれたものです。それ以来、上記の対策を実施していました。
この改造は、3段分(3段X8か所X4個=96個)のすべてのベアリングにしています。
ベアリングは、シール付きのものを使いましたが、風雨にさらされると数年で回らなくなります。ネットで150円ぐらいで入手でき、わりと安価です。ステンベアリングに変えたいのですが、
こちらは500円ぐらいでかなり高価です。
そして、錆さびのプーリを修復、ステンワイヤーを取り付け、 28 年ぶりに 25 mタワーを復活
させました。今後は、ウインチの交換などのメンテナンスを計画中です。 6 月で 71歳になりますので、もう 30 年もてば充分でしょう hi
ウインチの交換 (2019.5.17)
ウインチは、40 年間使っていましたので、早く交換しないと の思いで早急に交換することにしました。同じメーカの同じ機種を注文しましたが、寸法などの変更がないか心配でした。
そのことは、電動にするため、ハンドル部分に歯車用のシャフトと歯車が取り付けられていたから
です。
ウインチの交換は、前準備に時間をかけました。ウインチは、手動用で取り付け、古いウインチから歯車部品を取り外して整備をしました。
手動で回すと、フルアップまでに1000 回ほど回さなければなりません。とても、高齢者では体が持ちません!
まず、ウインチの取り付けボルトは、ねじの壊れた部分を三角やすりで修正して、ナットが手で軽く回るようにしました。歯車用のシャフトと歯車は、灯油で洗浄して、シャフトの傷などを修正しました。
ウインチとモータは、外カバー用のベース鉄板に取り付けられていました。
ただ、タワーに取り付けるときは、ウインチの取り付けボルトを外しタワーの取付穴からボルトを
通す必要があります。
そのため、ウインチは、ベース鉄板にスポット溶接してあって、サンダーで溶接部分を削り取り外しました。
モータとウインチの取り付けは、両方ともベース鉄板にボルトで仮締をして、歯車の心出しをする
必要があります。金属製のモノサシを使い、歯車の振れと両歯車の平行度をチェックします。
また、手で歯車を回し適当なバックラッシュが有るか 確認しました。問題ないことを確認後、モータとウインチのボルトを本締めして、ウインチとベース鉄板をスポット溶接しました。
歯車の取り付けは、軸とかんごうが甘く、セットビスも無いので、軸とスポット溶接しました。
これらを、タワーに取り付けて作業は終了しました。
ウインチ用のワイヤー交換
ワイヤーは、スチールワイヤー 40m からステンレスワイヤロープ 7 × 19径9mm の破断荷重:約 5280kg に交換しました。タワーとアンテナの総重量は、 1200kgほどですので、問題ないでしょう。
ウインチのドラムにワイヤーロープの末端を固定するのに苦労しました。取扱説明書は、下記の通りです。
1)ドラムのワイヤーロープに固定されている6角穴付きなべねじM6x10の4本うち、対角の2本CとDを外して残り2本のAとBを緩めて、ワイヤーロックプレートを浮かせます。
2)の作業は、この手順に従って作業をしましたが、ワイヤーの反発力が強くて、ワイヤーをかなりの力で引っ張らないと、図のようなドラムにワイヤーが密着しません。
そこで、ワイヤーがドラムからかなり浮いた状態で4回ほど巻き付け、ワイヤーロープの末端を固定してから、ワイヤーロープを少しづつ絞ってドラムに密着するようにしました。
とにかく、一人作業なので試行錯誤と苦労の連続でした。
このワイヤーロープは、40mもあり、7か所の滑車を通りますので、通過経路を間違えると大事故になります。苦労しましたが、なんとか成功しました。自分で自分をほめてあげたいですhi
よくできたなぁ・・!!
ついに、40年ぶりにタワーの基本メンテナンスを完了しました。
滑車シーブのベアリング破損(2019.6.24)
タワーの昇降時に、ガンガン異音がしたので、滑車シーブを点検しました。上段の3段分を持ち上げている 滑車シーブのベアリングが破損、
軸ボルトまでが削れて危険な状態 でした。
この滑車シーブのベアリングは、タワーの重量(480kg)とアンテナ・マストなど
(約100kg)合計580kgの2倍で約 1 トン以上の荷重がかかっているようです。
シーブは、外形寸法D:100mm・内径寸法:12mmと同じサイズのシーブが見つからず、
外形寸法75mmのベアリング入りシープに取り替え復旧しました。
シーブの選択は、一般にD/d(ワイヤー径)が16以上とされています。これが、小さいと
ワイヤーのストレスが多くなり、強度低下になります。1でワイヤーの強度低下率が約 50%と
書かれていました。
10mmのステンレスワイヤー(破断荷重:約 6520kg )を使ってるので問題なさそうです。
1段目の滑車シーブのベアリン交換 (2019.8.19)
1段目の滑車シーブは、5個あるのでベアリグ10 個の交換になります。
すべてステンレス製ベアリグに交換しました。
また、 ベアリング破損が 1 か所ありました。
1・2・3のシープは、取り外しは簡単でしたが、取付に苦労しました。
取り付け時にワイヤーの重さがかかり、取付穴の中心に合わすのが大変でし た。
シーブの中心と取付け穴が合わないと、取付ボルトが入りません。
将来は、メタル軸受けも試してみようと思ってます。
最下段のベアリング受け2か所を愛知タワー方式に改造 (2019.9.14)
旧方式のベアリング受けの溶接部を、サンダーで削りタガネとハンマーで取り外しました。
そして、12mmの穴をあけ、サンダーで表面を平らにして錆止め塗装後に、新しいベアリング受けをステンレスボルト2本で取り付けました。
ベアリング受けの位置調整とずれ防止のストッパーボルトが必要かと思いましたが、力の逃げも必要かと考え、このままで使用することにしました。
作業中にトラブル発生!借りた大きな電気ドリルが古かったので、
電源配線が劣化していてブレーカーがトリップ。
修理に時間がかかったので、2か所のみの完了でした。
残り2か所を愛知タワー方式に改造(2019.9.19)
4か所のベアリング受けの交換が終わり、やっとタワーのメンテナンスと改造が終わりました。
参考
愛知タワーは、ネットで廃業となってい ますが、社長の堀部さんと連絡が取れました。
保守部品などは、すべてあるそうです。メンテナスは、OKとお知らせいただきました。
〒491 0081 愛知県一宮市西小原町133
旧愛知タワー工業 090 3259 5959
堀部進
jr2asi@owari.ne.jp サポート専用
ベアリング破損の応急対策(2019.12.06)
タワーの昇降時にガンガン音がしたので、ベアリグの破損が気になって点検しました。
8月に交換したベアリングの1か所①が破損してい ました。原因がはっきりしないので、
かなりのショックです!
滑車のベアリングを交換した時に、外輪の「はめあい」が、かなり甘い ものがありましたので、
これが原因かもしれません。
NTNのホームページに、適切な「はめあい」について説明がありました。
内輪静止荷重・外輪回転荷重になります。これによると 、外輪:しまりばめ 内輪:すきまばめ
となっており、 不適切な「はめあい」が軸受けの破損や短寿命になる場合がある と書かれていました。
同じ滑車が無いので、以前に購入していた外径75mm のブッシュタイプの滑車で代用することに
しました。
そして、交換しようとしましたが、どうしても取付ボルトが抜けません。困りました・・
しかたなく、鋸刃を手で持ち取付ボルトを切ることにしました。
やっとの思いで切断したら、ボルトとベアリグの内輪が溶着したような感じになっていました。
これでは、抜けないはずです。
そこで対策として、滑車の内径を旋盤加工して、ベアリグの内径が同じで外径寸法の大きいもいものに「しばりばめ」で交換することにしました。
ベアリグは、 6201 外径32mm から 6301 外径37mm に改造 しました。サイズが大きくなり最大荷重もアップしました。
春になって暖かくなったら 、シーブの交換に チャレンジしてみます。
やれやれ・・・
改造シーブの取替え(2020.3.9)
今日は、天気が良く無風で、やっとメンテナンスの季節になりました。
あらかじめ準備していた手順に従って、3か所ともスムーズにシーブの 交換が 完了しました。
苦労した場所もレバーブロックでワイヤーロープを持ち上げて、簡単に交換できました。
やっとのことで、タワーメンテナンスの終了となりました。
約1年がかりの作業でした。
マストベアリングの修理(2020.9.28)
マストベアリングは、約30年前におきたワイヤー切れ事故以来、壊れたままになっていました。
そのまま、使用してきて、特に問題はありませんでしたが、マストパイプに傷がつく恐れがあって、ずーっと気になっておりました。
私のローターは、固定されてない鉄板に付いています。ローターに負担がかからない設計でしようか?今まで約40年間は、問題なく使用してきました。
マストベアリングの交換は、マストパイプを抜く必要があり、レッカー車でアンテナとマストパイプを持ち上げる必要があります。やっかいなので、そのまま放置していました。
最近、ヤフオクを見ていると、ヤエスのユニバーサルベアリング(GS-680U)が2分割して、マストに取り付けができると書かれてました。こんな、便利な物があったとは・・・知らんかった!横方向の荷重だけですので、マストベアリングの代わりになりそうなので、取りつけることにしました。
壊れたマストベアリングは、金鋸で切って取り外しました。
また、ユニバーサルベアリングは、取付穴が合っていたので、簡単に交換できました。
グリスは、耐水性に優れ安価なシヤーシグリスを使いました。
タワー制御盤のリニューアル(2013.10.23)
タワーの制御盤が錆びてぼろぼろになってきたので、新しいプラスチックBOXに取替えま
した。リレーの接点は、問題さそうなので、そのまま使用することにしました。


修理前
修理後

Lアングルの修正
10mmねじ切り

愛知タワーのベアリング受け













ねじを修正


改造前
改造後






